高血圧
高血圧
高血圧とは血圧が高い状態が続く病気のことで、生活習慣病の1つに含まれる病気です。
そもそも血圧とは、血液が心臓から送り出されるときに血管の内側にかかる圧力(血管を押す力)のことで、心臓から送り出される血液の量や血管の太さ、血管の弾力性によって決まります。
運動すると、一時的に血圧が上がることもありますが、これは筋肉の活動が活発になり心臓から送り出される血液の量が増えるためです。運動に伴う血圧上昇は一過性のものですが、高血圧は血圧の高い状態が長期的に続いていることが特徴です。
血液の量、血管の太さ、血管の弾力性のいずれかに異常があり、血圧が高いと高血圧の可能性が高くなります。
高血圧の症状の特徴は、「自覚症状が無い」ことが特徴です。
目立つ症状が無いものの、血管に高い圧力がかかると、圧力に耐えられるように徐々に動脈も太くなっていきますが、動脈が太くなると血管の内側が狭くなり、さらに圧力が高くなる、また動脈が太くなる…と悪循環に陥ってしまいます。この状態が続くことで、血管が詰まり、気づいたときには脳出血や脳卒中、心筋梗塞などの合併症を突然引き起こすこともあります。
自覚症状が無い一方で、いきなり命に関わる病気を引きおこすため高血圧は「サイレントキラー」とも呼ばれることもあります。
高血圧は「血管の収縮」「動脈硬化」「血液量の増加」が原因になります。
これらはいきなりおこるものではなく、日頃の運動や食生活、肥満、飲酒などの生活習慣や環境、腎臓や内分泌系など他の病気が原因となって徐々に進行していきます。
生活習慣や環境が影響するタイプの高血圧を本態性高血圧と呼び、
などの習慣が関わっています。高血圧と診断される人のほとんどが本態性高血圧と言われています。
一方で、腎臓や内分泌系の病気が原因となるタイプの高血圧を二次性高血圧と呼びます。
などが関係しています。二次性高血圧の場合は、原因となっている病気を治療することで血圧が下がっていきます。
高血圧の検査では、血圧測定が基本となります。
血圧は上、下と表現されることがありますが、「上=心臓が収縮して血液を送り出した時の収縮期血圧(最高血圧)」、「下=心臓が拡張した時の拡張期血圧(最低血圧)」のことを表しています。この収縮期血圧と拡張期血圧を基準にして、診断基準を満たす場合に高血圧と診断されます。
収縮期血圧…140mmHg以上
あるいは
拡張期血圧…90mmHg以上
ただし、血圧は運動したり、緊張したりなどちょっとしたことで変化しやすいため、同じ時間帯で同じ状態で測定することが大切です。
他にも、朝起きたときには血圧は低く、日中になると血圧が上がってくるなど1日の中でも変化するため、朝と晩の2回、毎日継続的に記録していくことで適正に測定でき、正確な診断に繋がります。
高血圧の治療の基本は、「減塩」と「減量」で血圧をコントロールしていくことです。
塩分を摂りすぎると、身体の中の体液のバランスが崩れて血液がドロドロになり、血管にかかる負荷が大きくなります。
調味料は減塩タイプのものを選ぶ、だしを使うなど塩分接種にも気をつけることが大切です。
減量は運動を中心に取り組んでいきます。
運動すると血管が広がり、血流をよくして血圧が下がります。またストレスも血管を収縮して血圧を上げてしまうので、身体を動かしながらリフレッシュできる方法を見つけることも大切です。
ただし、急に激しい運動をすることで血圧が上がり、血管に負荷がかかるためウォーキングや軽いジョギング、ラジオ体操などから始めましょう。
塩分は1日6gまでを目安にして、摂りすぎに注意しましょう。以下のコツに取り組みながら減塩を意識してみてください。